2004年07月28日14時36分57秒
『平べったい』 [ 5秒で読もうと思えばできなくもないもの ]
夜の高速を走行中、センターミラーに後部座席に座る妙に平べったい男が映った。なんというか、ローラーで押し潰して広げたような顔の男である。男は横に伸びきった目に笑みを浮かべながら、「呼んだ? ねぇ、呼んだ?」と猫なで声で、馴れ馴れしく紙のように扁平な手を私の肩にかけて聞く。私は、こんな平べったい奴は知らないし、妙に馴れ馴れしい態度も気に入らなく、「呼んでない。用もない。消えろ」と語気を荒げて後ろの男に言い放つ。しかし男は自身のからだの厚みのなさと同様に、へらへらと軽薄な口調で私に話しかける。「やあ、これね。この赤い実」と男はズボンのポケットから丸いなにかの果実をとりだして、私の顔の前に差し出してみせる。差し出す男の手は扁平であるのに、その手の平に置かれた果実は質感をもった球体だ。つやつやと美味しそうでもある。「とおても、あまあああいんだよ。あまいんだ。おひとつ、どおだい」男は目も鼻も口も横に広げきっているのに、それを更ににぃぃと横に広げて愛想笑いした。その笑いが、どうにも鬱陶しい。神経にさわる。実は美味そうだけど、それを食べていいかどうかとかそれ以前に男の扁平な笑みが気に入らない。私は運転に集中する。男はへらへらと笑いながら、平べったい手をひらひらさせて私に実をすすめる。ときどき、平べったい長い舌をだして私の頬をベロンと舐める。私は依怙地になって、とにかく気にいらなくて、運転に集中する。
――――――――
三語一行「みら あま んだ」
なんか、よくわからない(^^;
TrackBack
この記事の TrackBack Ping-URL :
http://kakimi.blogtribe.org/tbinterface.php/dcba444d2656ecdcdbf1bc456b2e91e7
http://kakimi.blogtribe.org/tbinterface.php/dcba444d2656ecdcdbf1bc456b2e91e7
コメントは投稿されておりません。

