2004年06月12日23時45分55秒
変質させる中華そば屋 [ 日記とか ]
隣の県の県庁在地であるG市に、中華そば屋があります。今日はそこに行ってきました。これで行くのは三度目になるんですが、どうも自分でもよくわからずに通ってます。というのは、特に美味しいから、というわけではないんです。
なんかヘンな店です。
値段は安い、メニュウは中華そばとワンタンのみである、創業大正ウン年である、分厚い木製テーブルは中華そばのスープ脂でピカピカに磨かれている、来るのは地元の人間ばかりでおそらく毎日食べに来ている、とまあ、そんなかんじの店なんですが、なにがヘンって店内に足を踏み入れた瞬間にムッと襲ってくる異臭です。鶏がらベースのしょうゆ味なので、鶏がらスープを大鍋でガンガン沸かしている匂いだと思うんですが(厨房は見えません)、これが相当、狂暴で凶悪な匂いなのです。冬眠を妨げられて怒り狂った熊みたいに店内で暴れまわっています、匂いが。うわあ、これは食べ物屋としてどうなんだろう、というよりこの環境でゴハンを食べるのか、いやそもそもこの匂いの元を今から食べるわけなのか、と毎回思います(何度行っても慣れません)。毎回、しまったなあと後悔しながら、注文して待っていると、おばさんがお盆に中華そばを乗せて持ってきます。この店ではお盆は必須で、なんでかというとドンブリから溢れんばかりに、表面張力ぎりぎりにスープを満たして持ってくるからです。おばさんが運んでくる時点ですでにスープはこぼれてます。お酒をコップになみなみ注いで、マスに入れて持ってくるみたいなサービスのようです。よほどスープが自信なのです。
で、食べます。店内の異臭がすごすぎて、中華そば自体が同じ匂いを発してるのか全然わかりません。味は普通です。以前、年配の方と行ったときに、その方は「懐かしくて美味い」と言ってましたが、私には中華そばとかシナそばとか言われるものに思い出はありませんし、そもそも塩味のほうが好きなのです。なんで食べてるんだろう、とギモンに思いながら、食べ続けるうちに、なんだか頭がボーっとしてきます。店内に充満する異臭に包まれ、さらにその元を体内に摂取することで、なにやら脳が麻痺するようなのです。気が付くと食べ終わってます。そして、店を出るときには異臭を感じなくなっています。きっと体内に取り込まれたスープが、胃壁からじくじくと滲み出し、私の体組織や細胞に浸透して身体を変質させたのだと思います。同じものになったので異臭と思わなくなったんでしょう。ああ、身体が変質されてしまった、と帰るときに思います。数日すれば浸透したスープは抜けて、元の身体に戻りますが、しばらくすると、またなんとなく行ってしまうのです。
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