2004年06月29日21時36分44秒
宿屋の猫 [ 5秒で読もうと思えばできなくもないもの ]
旅先のことである。夕食を済ませ、大浴場に浸かったあと、新聞を読もうと旅館のロビーに降りていくと猫がいた。夜半もすぎてロビーはスポットライトのような照明が3箇所点っているのみで薄暗い。猫は旅館の飼い猫らしく、ソファのど真ん中で、手足を胴体に引っ込めて鎮座していた。私は猫の隣に遠慮がちに座り、新聞を広げて読みだした。お天気欄を読んでいると、不意に猫が「明日は雨がひどいよ」と言った。「天が割れてゴウゴウと滝のよう。バスは崖下に落ちる」「それはほんとうか」聞いてみたが、猫はそれきり答えない。喉をくすぐってもゴロゴロと鳴らすばかりである。部屋に戻り、道連れに「明日はOO山には行かないよ。お達しがあった」と宣言した。「なんだい、そりゃ」「宿の猫に言われたのだ」馬鹿馬鹿しい、と道連れは取り合わなかった。翌日、道連れはバスでOO山に向かい、私は旅館のソファで猫と昼寝をして過ごした。道連れはなんの事故にも会うことなく、夕方「やあ絶景だったよ」と帰ってきた。私は恨めしげに猫に「嘘じゃないか」と文句を言うと、猫は上目遣いに「猫がものを言うわけなかろう」と言ったきり、そっぽを向いた。
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三語一行「ろご、ろぴ、っし」半濁音は濁音変換可
なんとなく気に入ってるので倉庫置き。
最近、更新してないし^^;
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