2004年07月08日22時30分47秒

『背高女』 [ 5秒で読もうと思えばできなくもないもの ]

 駅前百貨店の前で、人待ちをしていた時のこと。やたらと背の高い女が、向こうからズシンズシンとやってくる。女はアーケードの天井に頭をぶつけないよう身をかがめながら、通行人の一人一人に、その頭上から何やら話しかけている。通行人が何かしら答えると、答えの如何によって異なるのか、ある者は女の笠のような手に頭を撫でられ、また、ある者はひょいとつまみ上げられて、女の肩に背負われた大きな布袋に仕舞いこまれてしまう。そんなふうに女は、通行人を祝福したり、捕獲したりしながら、私の前まで来た。女は身をかがめ、私の正面に、大きな、やたら長い顔を近づけて、聞く「他家のものか」
 私は考えて「いや、身内だ」と答えた。女は長い顔をほころばせて「達者に暮らせ。父母を慈しむように」と私の頭を撫でてくれた。どうやら答えは合っていたらしい。ズシンズシンと遠ざかっていく女の背中に、私は声をかけた「その袋、どうするのだ」女は、長い顔をちらりと振り向けて「なに、枕にするのさ。蕎麦殻よりも具合が良いのだ」

――――――――
三語一行「まい たけ そば」
「まいたけの里」で、まいたけのかき揚げ蕎麦を食べました。
まいたけソフトもあったのですが、お腹が相談に乗れないと言うのでやめました

Posted by kakimi at 2004年07月08日22時30分47秒 | コメント(0) | Trackback(0)